歌枕書類における上野国歌枕一覧

平安時代から江戸時代にかけて成立した歌枕関係の代表的な歌学書・歌集をとりあげ、その中で上野国の歌枕として挙げられているものを五十音順に整理した。「上野国」と分類または注記されているもののみを取り上げ、同じ歌枕が他国のものとして扱われ、且つ注記にも「上野」と見えない場合には、原則として載せていない。
(注1)地名に( )が付されているものは、『歌枕名寄』で他国に分類されながらも、注記によって上野国説もあった事が知られるものである。
(注2)その書での取り上げ方や注記に関して注意が必要がある場合には、欄に※印を付した上で、一覧表の下に【注】を施し、リンクした。

今回資料とした諸本の略名称、用いた底本は以下の通りである。
<能因>…『能因歌枕』(日本歌学大系第1巻
<五代>…『五代集歌枕』(日本歌学大系別巻1)
<八雲>…『八雲御抄』(日本歌学大系別巻3)
<夫木>…『夫木和歌抄』(新編国歌大観第2巻)
<名寄>…『歌枕名寄』(新編国歌大観第10巻)
<名所>…伝能因撰『名所歌枕』(『名所歌枕伝能因法師撰の本文と研究』笠間書院)
<類字>…『類字名所和歌集』(『類字名所和歌集 本文篇』笠間書院)
<松葉>…『松葉名所和歌集』(『松葉名所和歌集 本文及び索引』笠間書院)



  能因五代八雲夫木名寄名所類字松葉
赤城の社       
暁のこほり        
あさがほの沼        
安蘇のまそむら   ※16  
安蘇山   
あらしの浦        
荒船の宮       
いかご山    ※5    
伊香保嶺   ※23 
伊香保の沼  ※6※17
(市師の原)     ※18   
伊奈良の沼    
いはがき沼  ※1  
いぶきの里    ※7    
いほの山        
鴬の里        
碓氷山   
碓氷の坂  ※8※24 
うなかみ潟    ※9    
うなかみ山        
  能因五代八雲夫木名寄名所類字松葉
(宇乃原)     ※19   
枝の池        ※27
可保夜が沼  
烏川        
くるまの里      
黒髪山        
久路保嶺       
佐野  ※10
佐野田  ※2※25 
佐野の池     ※11   
佐野の中川     
佐野の舟橋  ※12※26※28
佐野の渡り     ※20   
(住坂)     ※21   
たかせ川    ※13    
多胡の入野  
多胡の嶺     ※29
利根川  ※14
新田山   
花のこほり        
  能因五代八雲夫木名寄名所類字松葉
ははその山        
針原       
ひとね川     ※22  
まがき山        
物聞山       
もる山   ※3    
八坂井堤      
横野  ※15
小新田山  ※4   

【注】
※1 「只非名所も詠之」とあり。
※2 「さやた」として挙げる。
※3 「近江にも有り」とあり。
※4 「にひた山」の項に「をにひた山、同事也」とあり。
※5 「近江又上野」とあり。
※6 「上野或陸奥」とあり。
※7 「近江又上野、加賀」とあり。
※8 「上野或近江」とあり。
※9 「上総或上野」とあり。
※10 「河内又上野」とあり。
※11 「上野又和泉」とあり。
※12 「近江又上野」とあり。
※13 「山城或河内、摂津又安房又上野」とあり。
※14 「武蔵又上野」とあり。
※15 「近江又上野、河内」とあり。
※16 「安蘇山」の項に「付真麻村 範兼卿類聚村部立之、或云非名所只是苧生所也云々」とあり。
※17 「六帖歌陸奥之伊香保沼云々、亘両国歟」とあり。
※18 「陸奥国」の中に挙げ、「古歌上野云々、亘両国歟」とあり。
※19 「未勘国」の中に、「或云上野、或山城、或遠江」とあり。
※20 「或云大和国云々、仍範兼卿彼国載之了、或云近江或云丹後或云摂津、説々雖多管見
 在当国、仍重所載之也」とあり。
※21 「未勘国」の中に、「或抄或云、上野国」とあり。
※22 「群馬里」の項に「付比利根河」とあり。
※23 「伊香保沼」の項に「伊香保嶺」の歌あり。
※24 「碓氷山」の項に「碓氷の坂」の歌あり。
※25 「佐野」の項に「佐野田」の歌あり。
※26 「佐野」の項に「佐野の舟橋」の歌あり。
※27 「春雨抄に当国或未勘」とあり。
※28 「上野」の他に「近江」としても挙げ、「上野ニ有同名」とあり。
※29 「多胡の入野」の項に「多胡の嶺」の歌あり。



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